ミツクリザメ

ミツクリザメ


ミツクリザメは、ネズミザメ目ミツクリザメ科に属するサメです。

ミツクリザメという日本での呼び名は、
発見者の1人であった帝国大学の箕作佳吉(みつくりかきち)の名前から取られています。

英名では「ゴブリン・シャーク(Goblin Shark)」と呼ばれており、
もしかしたら、日本でもこちらの呼び名のほうが有名かもしれません。
こちらの由来は、水揚げするとアゴが前方に飛び出し、顔が充血して赤面しブクブクになる姿が、
まるで地獄の悪鬼(ゴブリン)のように見えるからです。

ミツクリザメ 水揚げされたミツクリザメ
↑アゴが飛び出した状態のミツクリザメ(左)、水揚げされて顔が充血したミツクリザメ(右)


<ミツクリザメの身体的特徴>
ミツクリザメは、大体200〜250cm程度で成体とされ、
発見された個体で最大のものは380cmぐらい。 推定では600cmの大きさにまで成長するであろうと考えられています。
ただし、体長は長く伸びた吻(鼻先)と尾が占める割合が多いので、見かけからは数字ほどの大きさを感じません。

体色は基本的には白色から薄い灰色。
しかし若い個体はその体表が透けており、そのために血管の色が見えてほんのりピンク色にみえます。
よく見かける、充血して真っ赤な鬼のようになっている写真は、死んでから長い時間が経ったものです。
ミツクリザメは常にあんな怖い色をしているわけではありません。


最大の特徴は前述したとおり、非常に長い吻。
まるで天狗のように長く前方に突き出しています。
この吻は敵を攻撃するためのツノのように思われがちですが、実際にはとても柔らかくフニャフニャしています。
サメ特有の微弱電流を探知するロレンチーニ器官がここに集中しており、
ミツクリザメはこれを使って暗い深海でも獲物を探し当てることができるのです。

この吻の形が8500万年前に生息していた古代ザメ・スカパノリンクスとそっくりであることから、
古代から姿をほとんど変えていないサメ「生きた化石」と呼ばれています。


ミツクリザメ ミツクリザメ
↑下アングルからのミツクリザメ(左)、(右)


もうひとつの特徴は前方に飛び出すおぞましいアゴ。
実はこのアゴが飛び出す仕組みは、サメの仲間の中ではけっこう普通のこと。
ホオジロザメもアオザメも、イタチザメも、シロワニも、肉食性のサメのほとんどは
獲物に喰らいつく瞬間にアゴが前方に飛び出す仕組みになっています。

ただし、やはりこのミツクリザメの飛び出し具合は他のサメとは一線を画しています。
顔の形が完全に変わって見えるレベルでアゴが飛び出す光景には、何度でもビックリさせられます。

歯は手前のほうに非常に細く鋭いものが無数に並んでいて、アオザメなどに近い形状をしています。
こういった歯の形状は、イカやタコなどの頭足類を捕らえるのに適しています。
獲物を磨り潰せる奥歯も持っているので、硬骨魚や甲殻類を食べることも。

ミツクリザメがダイバーの腕をかむ ミツクリザメの飛び出したアゴ
↑ダイバーの腕を咬むミツクリザメ(左)、飛び出したアゴ(右)


ミツクリザメはほかの深海性のサメと同じく第一背ビレ、第二背ビレともに非常に小さいです。
尾ビレの特に上葉が非常に長く、体長の3分の1近くを占めています。
これらは海底近くをゆっくりと泳いで生活しているサメの特徴に共通していて、
ミツクリザメもそのような生活スタイルをとっているのではないかと言われています。

<ミツクリザメの生態>
2013年現在でもその生態はほとんど解明されていません。

まず生息域ですが、基本的には1000m以上の深海湾で見られます。
南アフリカや南オーストラリアなどでも発見されていますが、
実は駿河湾や東京大渓谷を持つ日本が一番ミツクリザメのメッカ。
世界中の深海生物の研究者から注目されています。

どこかを回遊して生きているのか、寿命はどれぐらいなのか、どういった繁殖方法をとるのか、
天敵などはいるのか、これらのことは一切わかっていません。



ミツクリザメ ミツクリザメ


<ミツクリザメと人間との関わり>
ミツクリザメが他の魚に混獲されて水揚げされることは日本でもたまにあることで、
そのたびに研究施設や水族館に移送されています。

しかし水深1000メートルの環境を水族館で実現することは難しく、
成体が展示されてもすぐに衰弱して死んでしまいます。
いつかの日か、ミツクリザメに適した状態を作れるまでに技術が進歩することを願っています。

<水族館でミツクリザメが展示された記録>
@東京葛西臨海水族園
 日本で一番ミツクリザメを長生きさせたのはいまのところココです。
 最長記録は2007年3月の個体の14日間。
 一般水槽での展示をあきらめ10気圧を再現できる深海生物専用の加圧水槽を使いましたが、
 最後まで餌を食べることはなく衰弱していったそうです。
 ・1995年4月13日〜4月17日(5日間)
 ・2007年1月25日〜1月27日(3日間)
 ・2007年3月27日〜4月10日(14日間)
 ・2009年1月17日〜1月21日(5日間)
 ・2011年2月2日〜2月7日(5日間)

A八景島シーパラダイス
 2013年11月にカニ用の刺し網にて捕獲された11匹を展示したことで、最近話題になりました。
 この水族館も過去に何度もミツクリザメの飼育に挑戦しています。
 ・2010年3月3日〜?
 ・2011年4月29日〜?
 ・2012年2月3日〜2月6日(4日間)
 ・2012年11月10日〜11月15日(6日間)
 ・2013年11月14日〜11月18日(5日間)

B新・江ノ島水族館
 2010年に刺し網で捕獲された130センチのメスが搬入されましたが、1時間ほどで死亡したそうです。
 ・2010年3月3日〜3月3日(1日間)


生きているミツクリザメの映像:




→その他のミツクリザメの動画


八景島シーパラダイスで2013年11月に展示されていたミツクリザメの写真:
ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島
ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島 ミツクリザメ八景島


サメ MANIAX


ネコザメ目

・ネコザメ科

ネコザメ
ポートジャックソンネコザメ


テンジクザメ目

・クラカケザメ科

クラカケザメ

・オオセ科

オオセ

・テンジクザメ科

テンジクザメ
イヌザメ
モンツキテンジクザメ

・トラフザメ科

トラフザメ

・コモリザメ科

コモリザメ

・ジンベエザメ科

ジンベエザメ


ネズミザメ目

・オオワニザメ科

オオワニザメ
シロワニ

・ミズワニ科

ミズワニ

・ミツクリザメ科

ミツクリザメ

・メガマウスザメ科

メガマウスザメ

・オナガザメ科

ニタリ

・ウバザメ科

ウバザメ

・ネズミザメ科

ホオジロザメ
アオザメ
バケアオザメ
ネズミザメ


メジロザメ目

・トラザメ科

トラザメ
ナヌカザメ

・ドチザメ科

ドチザメ
ホシザメ

・メジロザメ科

ヨシキリザメ
イタチザメ
オオメジロザメ
メジロザメ
ツマグロ
ヨゴレ
ネムリブカ

・シュモクザメ科

シュモクザメ


カグラザメ目

・ラブカ科

ラブカ

・カグラザメ科

カグラザメ


キクザメ目

・キクザメ科

キクザメ


ツノザメ目

・ツノザメ科

アブラツノザメ
ダルマザメ
オンデンザメ


カスザメ目

・カスザメ科

コロザメ
カスザメ


ノコギリザメ目

・ノコギリザメ科

ノコギリザメ



サメ関連リンク
 サメ Wikipedia
 サメ動画まとめてみた
 サメの海


姉妹サイト
 危険生物MANIAX